シリコン製品の多色成形|調色・色分け・試作確認の流れ
シリコン製品の多色成形では、色を指定するだけでなく、素材、表面仕上げ、色の境界、試作品の確認方法をそろえることが大切です。オリジナル雑貨やシリコングッズの製作を相談する前に、調色から量産前の承認までの流れを整理しましょう。
この記事は一般的な工程確認のガイドであり、特定のお客様の製作事例ではありません。適切な製法は形状と材料グレードによって異なり、すべての製品が同じ混練・滴下・成形工程を使うわけではありません。
1.色指定は画面の画像だけで完結させない
スマートフォンの画像はイメージ共有に役立ちますが、最終的な色の基準には注意が必要です。画面の設定、照明、撮影条件によって見え方が変わるためです。色番号や現物の色見本に加えて、つや消し・光沢、透明・不透明など、完成品の条件を伝えます。
同じ色を目指しても、平滑な見本と凹凸のあるシリコン表面では印象が異なる場合があります。X-Riteの色標準に関する解説(英語)でも、素材や表面の見え方が重要とされています。可能であれば、実際に使う材料と仕上げの試作品で確認しましょう。
2.材料に合った調色・混練方法を選ぶ
固形シリコンゴムと液状シリコーンでは、適した着色剤や混合方法が異なります。対応する固形材料では、二本ロールなどで適合するカラーペーストを練り込む方法があります。一方、液状材料では、そのシステムに適した着色剤と混合手順を用います。

色むらがないことは確認項目の一つですが、それだけで加工条件を満たしたとは判断できません。材料との適合性や硬化条件も必要です。WACKERのシリコーン加工資料(英語)でも、材料系に応じたカラーペーストが区別されています。配合比率や温度を一律に決めず、材料メーカーの指示を確認してください。
3.金型製作前に「色分け」を確認する
大きなイラストでは見やすい線も、実寸の小さな製品では再現が難しいことがあります。完成サイズの図面を用意し、色の領域、細い線、小さな文字、凹凸部分を確認します。
- 図面と仕様書で、各色の番号を統一する。
- 金型で区切る必要がある境界を製造側に確認する。
- 狭い隙間や細かな模様は、製作前に再現方法を相談する。
- 成形で表現する部分と、印刷など別工程の部分を明確にする。
色数を減らせば必ず簡単になるとは限りません。形状、細部の大きさ、金型、組立方法も関係します。入稿の考え方は、ラバーキーホルダーのオリジナル製作ガイドでも紹介しています。
4.滴下・充填と射出成形を混同しない
対応する材料や形状では、ディスペンサーで金型の指定位置に材料を配置する方法があります。他の製品では圧縮成形や液状シリコーンの射出成形が適する場合もあります。これらは同じ工程を指す言葉ではありません。設備写真だけで、ご希望の製品に適した製法までは判断できません。

また、シリコン製の製品を作ることと、別の材料を流し込むためのシリコン型を作ることは異なります。見積依頼では、何を完成品として作りたいのかを明記しましょう。工程全体については、シリコン製品の製造工程ガイド(英語)も参考になります。
5.硬化後の試作品で承認する
未硬化の材料や写真だけではなく、完成状態の試作品で色味、つや、色境界、文字の見やすさ、必要な寸法を確認します。照明と背景をそろえると比較しやすくなります。写真は相談の補助に使い、現物確認の代わりにする場合は事前に合意しておきます。
承認したサンプルの版と、修正が必要な箇所を記録しましょう。測色機による管理が必要な場合は、測定方法と合否基準も量産前に相談します。装飾用シリコン製品すべてに共通する、単一の色差許容値があるわけではありません。
見積相談で用意したい情報
- 完成サイズと用途
- 色分けした図面と各色の基準
- 希望する素材、透明度、表面仕上げ
- 数量、包装、組立の有無
- 試作の確認方法と評価用サンプルの希望時期
共有する画像や図案は、利用できる権利を確認したものに限りましょう。オリジナルの幾何学模様や一般的な工程写真でも、製作の考え方は伝えられます。
よくある質問
色番号を指定すれば、完全に同じ色になりますか?
色番号は目標を伝える基準ですが、素材、仕上げ、照明によって見え方が変わります。完成状態の試作品で期待する仕上がりを確認してください。
多色の製品はすべて液状シリコーンの射出成形ですか?
いいえ。形状、材料、数量などに応じて製法を検討します。検索した製法名だけで決めず、図面をもとに適切な工程を相談しましょう。
最初に何を送ればよいですか?
図面、完成サイズ、色見本、予定数量が出発点になります。日本語の製作相談ページからご相談ください。価格条件の整理には、見積チェックリスト(英語)も利用できます。
English: Multi-Color Silicone Molding: Color Matching & Sample Approval